学会賞受賞記念講演

記念講演

9月6日(日)13:00 ~ 14:00

人間性心理学の強みと共に生きる

森川友子
(九州産業大学人間科学部)

 学会賞という立派な賞を頂戴し恐縮しております。到底身に余ることですので噂に聞き耳を立てていると、“延々と楽しそうに”フォーカシングを教え、研究をしているようだ、ということが、受賞の理由の中に入っているようです。
 さて、私自身はPCAが今後も一定の、(広範囲とまではいかないにしろ)非常に確固たる立場を保って、世の人々から求められると思っており、そのことに自信と確信しか無いのです。理由①PCAは現代社会の極まる方向とは逆の極にあるから。理由②人々が優しく傷つきやすく、評価や支配に敏感になっていることにより、PCAこそが人々にフィットするはずであるから。理由③PCAのカウンセリングで行えることは幅広いから。
 ③について:私は一時期、警察に身を置き、「心理臨床」「セラピー」と呼ぶことはもちろん、「支援」と呼ぶことさえ遠慮しながらの寄り添いをしながら、犯罪被害者と共に数年を過ごさせてもらいました。そして大学に戻り、改めてロジャースの事例を読むと、けっこうな介入をしているように見え、その古典派と呼ばれる人たちも似たようなものであり、驚きました。また、PCAは共感を大切にしますが、試しにちょっと研究してみたところ、身体と身体で伝わり合う共感というものが、確かにあるようでした。一見、何もしていないように見えて、沢山あるのがPCAのようです。…といったことを、一解説者として話させていただきたいと思います。

講師紹介

森川 友子

九州大学で村山正治先生の研究室に所属、フォーカシングに取り組む。
1996年福岡県警察、2003年九州産業大学に赴任、現在は同大学教授。
2015年より福岡フォーカシング・フォーラム主宰。

主要論文・書籍

フォーカシング健康法 こころとからだが喜ぶ創作ワーク集(編著) 誠信書房
FMS(The Focusing Manner Scale)改訂版の作成および信頼性と妥当性の検討
(永野浩二・福盛英明・平井達也との共著) 九州産業大学国際文化学部紀要, 58,117-135
身体症状へのフォーカシング的取り組みに関する一考察 -「それはフォーカシングか」という議論に関して- 人間性心理学研究28(1),35-47.